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『いちべついらい 田村和子さんのこと』 著:橋口 幸子

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橋口幸子さんの著書『いちべついらい 田村和子さんのこと』です。
単行本(ハードカバー)です。


著者の橋口幸子さんはフリーの校正者で、複数の著書もお持ちの方です。
この本は、橋口さんが親交のあった田村和子さんについて綴られたものです。
田村和子さんとは、彫刻家・高田博厚さんの娘さんで、詩人・田村隆一さんの奥さんだったかたです。橋口さんはかつて編集者の紹介により鎌倉にある田村和子さんのお宅にご夫婦で間借りをしていたことがあるのだそうです。

で、この、和子さん&隆一さんが、なんかすごいんです。
和子さんは隆一さんの4番目の奥さんなのだそうです。(隆一さん、生涯で5度ご結婚をされているそうです)
和子さんが隆一さんと出会った時、隆一さんには詩人の奥さんがいました。そののち結婚した和子さんと隆一さんではありましたが、隆一さんにまた新しい恋人ができて、和子さんのほうも隆一さんの友人で詩人仲間でもある北村太郎さんと恋愛関係になり、その北村さんにも妻子がいて、和子さんは北村さんと駆け落ち。鎌倉の家に北村さんが越してくると、今度は隆一さんもそこに戻ってくることになり・・・。

ここまででも結構すごくないですか。
いやはや、恋愛虚弱体質の自分にはそういうところだけ切り取って見てしまえば、うはー、おほー、ほげー、ですが、やはり芸術家さんというのは、作品づくりに命をかけると同時にミューズというものを常に強く求めるものなのでしょうか。
でも、ここまでくると逆に、倫理がどうとか、常識がどうとか、そういうものたちが自ら率先してさわーっと横に寄って道を譲る、みたいな気がしてくるので不思議ですね。やっぱり何事も中途半端がいちばんよくないってことでしょうか。(そういう話ではない)

こういう奇想天外(とご本人が思っていたかどうかは別として)な濃ゆいご友人がそばにいると、自分自身も常識に縛られずどこかラクでいられる、結局なんだかんだで憎めない、見ている分には結構楽しい・・・とかそういうものなのかなと想像してみたりもしますが、やっぱりそんなに単純なものでもなさそうです。

橋口さんの、しずけさをたたえたくどくない文体、素敵です。
自分と関わり合った、記憶とか思い出としておさまっているたくさんのものたちに対して、そのどこかに、ちいさくても慈しみのような気持ちを持つことができたらいいなと思います。


【発行】夏葉社
【発行年】2015年
[この商品は、2015年5月 第一刷発行のものです]
【サイズ】B6判
【ページ数】156p
【高さ】19cm
【NDC分類】289.1

◆◇◆状 態◆◇◆
特に目立つキズ等はありません。
古本ですので、多少の使用感や経年相応の劣化等についてはご容赦お願いいたします。

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